発症率、重症化率の変化

 

水ぼうそうの場合は、1回かかったことがあったり、必要回数のワクチンを接種すれば、ほぼ100%予防できるのですが、残念ながらインフルエンザはそうはいかないのです。

 

インフルエンザワクチンは乳幼児や高齢者では抗体ができにくく、また、インフルエンザウイルス自体が毎年少しずつ性格、特性を変化させるので、予防接種を受けても発症することがあります。

 

インフルエンザに1回かかった場合でも翌年再びかかったりすることがあります。更には、同じ年にA型インフルエンザとB型の両方共かかってしまう人もいるのです。発症率、重症化率が変化するのがインフルエンザのやっかいな点です。

 

インフルエンザにはA、B、Cの3つの型があります。特に世界的流行がみられるのがA型とB型です。

 

インフルエンザワクチンウイルスの株については、毎年、世界保健機関(WHO)が決めた推奨株の情報をベースにして、日本の専門家によって流行を予測して決定されています。

 

ウイルスがなぜ変化するのかと言えば、予防注射や抗ウイルス薬に完全にウイルスが撃退されないからで、人間の体内で増殖し生き延びているからです。こうしてワクチンとウイルスとのイタチごっこが常に続いているのです。

 

良くないのは、当シーズンのインフルエンザワクチン株と、実際に流行するウイルスに大きな違いがある場合で、つまり予測がはずれれば、それだけ発症率、重症化率が上ってしまうのです。

 

副反応についても心配です。ワクチンを接種した時に免疫がつく以外の反応がみられる可能性があります。インフルエンザで多くみられるのは、接種した場所の痛み(疼痛)、赤み(発赤)、はれ(腫脹)などで、確率は10~20%とされています。