インフルエンザの基礎知識

 

「予防接種」というのは、病気に対する免疫をつける目的で抗原物質(ワクチン)を投与する行為のことです。日本の予防接種法(予防接種法2条1項)では、「疾病に対して免疫の効果を得させるため、疾病の予防に有効であることが確認されているワクチンを、人体に注射し、又は接種すること」という定義がなされています。

 

ワクチンの種類は、生きた病原体の毒性を弱めた「生ワクチン」、毒性を失った死んだ病原体の成分のみの「不活化ワクチン」、菌が発生する毒素を取り出して無毒化した「トキソイド」があります。インフルエンザのワクチンは「不活化ワクチン」で、B型肝炎、百日せき、ポリオ、日本脳炎、A型肝炎、小児の肺炎球菌感染症などもこの種類です。

 

さて皆さん、インフルエンザの予防注射を毎年受けていますか?防注射を打ってもインフルエンザにかかったという事例もあり、表題のようにインフルエンザワクチンは本当に効果があるのか?という話材もよく出てきています。

 

風邪とインフルエンザを混同している人も多いかと思いますが、このふたつは症状も原因も症状もかなり異なっているのです。いわゆる「風邪」だと、症状はのどの痛み、鼻水、咳などで、呼吸器の急性炎症ですが、「インフルエンザ」は、インフルエンザウイルスに感染する病気です。風邪より急激に発症して、症状も重くなるのが特徴です。

 

インフルエンザにかかると、1~5日の潜伏期間があり、その後38℃以上の高熱、筋肉痛など全身症状が出ます。気管支炎や肺炎も併発しやすく、重い場合は脳炎や心不全になることもあります。