インフルエンザのワクチン
インフルエンザウイルスが問題になるのは強力な感染力があるという点です。ひとたび流行してしまうと、年齢や性別に関係なく非常に多くの人に短期間のうちに感染します。
感染経路は主に飛沫感染です。飛沫とは、くしゃみ、咳などで唾液や鼻水が微小な水滴になって飛び散ることです。基本的に日本は毎年11月~4月に流行します。
さて、インフルエンザワクチンについて話しを戻していきますが、実は、インフルエンザの予防注射に感染を予防する効果があるわけではないのです。そもそも感染は、ウイルスが鼻や口の粘膜から体内に入って細胞内で増殖することです。厚生労働省研究班の報告では、ワクチンにはインフルエンザの発症と重症化を抑制する効果はあるとされています。
基本的にインフルエンザワクチンの目的は、ワクチンを接種した人の体にウイルスを排除する抗体を作ることであり、そうすれば同じウイルスが入ってきてもそれを攻撃して発症や重症化を抑制できるわけです。
厚生労働省研究班の分析によると、65歳以上の高齢者ならインフルエンザワクチンを接種することで発症リスクが34~54%減少、死亡リスクが82%減少するそうです。0~15歳なら、1回接種すると68%減少、2回接種で85%減少、16~64歳でも、1回の接種で55%減少、2回接種で82%減少するという効果があるそうです。
ここで注意したいのは、どの年齢において100%の効果ではないということです。逆に副反応の可能性もあるので、それで「インフルエンザの予防注射は打つべきか?」という話題が尽きないのです。